足跡足跡招き猫電車に乗って、
幸せな気持ちを分け合って。

粕川徹哉さん 豪徳寺 住職

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豪徳寺 住職

古くは招福猫児“まねぎねこ”と呼んだ豪徳寺の招き猫。「縁起の“ぎ”をあてたのかなと推測していますが、今は濁らず“まねきねこ”と呼んでいただいています」と粕川住職はいいます。約400年前にお寺に福を招いた白猫「たま」がモデルの、右前足を上げたシンプルなデザイン。奉納所の招き猫は約10,000匹にもなるそうで、知名度の高さがうかがえます。「広い境内や木々が茂る静かな空間もそうですが、特に招き猫を求めて最近は外国の方が多くいらっしゃいます」。お参りの仕方もよく聞かれ、「その場ですぐ奉納するのではなく、ご自宅に持ち帰って飾って願いが叶ったり年が変われば納めていただく、またはご自宅にずっと飾っていただいてもかまいません。皆さんのお考えでしていただければ一番いいと思います」。

豪徳寺 住職

猫といえばどこか神秘的なところがあるもの。「たま」は招福観音の化身といわれています。「当時の和尚が飼っていた猫を大事にする気持ちに対して、観音様が福を招いてくださり、それを猫を通して与えていただいたということだと思います」と住職。猫や犬は昔から人にとって身近で親しい動物。そんな猫は仏とのつながりを結んでくれる存在だといいます。今、豪徳寺には飼い猫はいませんが「野良猫が懐いて一日3食もらいにくるんです。『ご恩返ししてよ』と言っていますが、やはり見返りを望んではいけませんね。その姿勢に対して救いの手を差し伸べてくださることがあるかと思うんです」。もちろん名前は「たま」。この日は朝5時半に来ていたそうです。

豪徳寺 住職

「東急電鉄さんからお話をいただいたとき、私もぜひ招き猫の電車を走らせてくださいと言いまして」。そこからさまざまなハードルを越えて招き猫電車は実現しました。ほかの車両にはない真っ白のカラーは豪徳寺の招き猫のイメージそのまま。「草が生えている線路を走ってくる姿とかすごくいいですよね」と微笑む住職。実はこれまで一度も乗る機会に恵まれなかったそうですが、最近ついにその時が訪れたとか。「駅で待っているとき踏切が鳴って『招き猫電車が来ますように』と念じていたら本当に来たんです。思わず満面の笑みで乗りましたね。さらに帰りもまた招き猫電車で、今日は私に福を招いてくださったんだと幸せな気分になりました」。

豪徳寺 住職

地元の人がとても愛着を持っている世田谷線。招き猫電車が走ることで親しみやすい雰囲気がより増してきました。「あ、猫の電車がきた!」という声を街で耳にすると、見ているこちらも幸せな気分になります。住職は「自然に笑顔になる気持ちを周りにもお裾分けしてほしい」と語り、優しい口調でこう続けます。「明るい雰囲気は周りに伝播しますよね。招き猫電車を見てそういう気持ちになったら、ご自宅に持ち帰って、みんなで分け合う、共有する。そういうことが大事なんだと思います」。はるか昔から伝わってきた豪徳寺の招き猫は、電車に形を変えて、これからもみんなを幸せな笑顔にしていくことでしょう。

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